肉食系男子に、挟まれて【完結】
「着替えたか」
「うん」
答えた後、私は扉を開ける。すぐに制服を返しに教室行って戻ってくると、春斗が待っていた。
「行くか」
春斗の言葉に私は頷いて、並んで歩き出す。
「可愛かったの?」
そう尋ねると、春斗がぶっと吹き出した。
「おま、あのなあ」
「聞きたい」
うぐっと珍しく春斗が言葉を詰まらせる。
それから春斗は口元に手を当てると、観念したようにぼそっと吐き捨てるように言った。
「……可愛かった。あー、もうめちゃくちゃに可愛くて他のヤローに見せたくなかったんだよ。悪いか!」
最後は何故か切れていたけれど。
「高校生だよ?」
「わーってる。それでもだよ。俺以外の男は皆ダメ。
なんだよ、この髪の毛。ふわふわさせていて可愛いし。まだ俺のもんじゃないのにライバル増やせるかっつーの」
そうやって、春斗が私の髪の毛に触れる。面白がって髪の毛ヘアアイロンで巻かれたんだ。普段はこんなことしない。
「は~~~。真央梨ヘアゴムとかないの?」
春斗は盛大な溜め息を吐くと、頭を抱えながら私に尋ねる。