肉食系男子に、挟まれて【完結】
「辻先生のクラスは……っと」
「ちょっと!?」
「ぷ、ははは。冗談だよ、冗談」
「もう! からかって!」
春斗は私で楽しんでいる。おかしい。
それから私たちは色々なところを回った。
「少し疲れたから体育館いこーぜ」
「うん。そういえば」
今、久住君のクラスの演劇じゃないだろうか?
体育館の入り口に貼られていたタイムテーブルにはやっぱり久住君のクラスとその横に『シンデレラ』と書いてあった。
シンデレラか。そういえばなんの役だかは聞いていないや。
「あ、久住じゃね? あれ」
「え、どれ」
一番後ろのパイプ椅子に私と春斗は座る。
それから、春斗が小声で一人を指さした。
あのふわふわの髪の毛絶対そうだ。
「………」
私は久住君の役に目を真ん丸にしてしまった。
……おい。どうして、犬役なんだよ。
久住君なら、主役張れるでしょう。
とか、少し贔屓目に見てしまっているのはダメだな。