肉食系男子に、挟まれて【完結】
何言ってるの。
バカじゃないの。
可愛い生徒なのに、要注意って。
首を捻りながら、私は慌てて久住君の元へと戻った。
「確か、鳥山先生の代わりに来た先生ですよね」
「そうそう」
「仲良しですね」
「そう? 他の先生と一緒で普通だよ」
「そうですか」
ちょっとだけ曇った久住君の顔。
だけど、すぐにパッと明るい笑顔を見せた。
「そういえば、先生ッ。後で教えて欲しいとこあるんです」
「お。いいよ? もちろん。じゃあ、放課後職員室においで」
「はーいっ」
弾ませた声で返事をする久住君。
何て向上心あるんだ。
積極的に勉学に励む久住君にふふっと笑みが零れた。
やっぱり久住君は癒し系だ。
私は屈託なく笑う彼を見て、心の中で静かに思うのだった。