肉食系男子に、挟まれて【完結】
「辻先生」
「人多いねえ」
「ですねえ」
どこもかしこも人で溢れて活気づいてる学校。
見てて楽しくなるし、ワクワクするけどね。
「真央梨先生っ」
後ろからそう声がかかって、私と辻先生は振り向く。
そこにいたのは真中さんだ。
……しかも、隣には樫君。
それだけで口角が緩んでしまう。
「辻先生も! あのお化け屋敷、めっちゃ怖かったです!
今入って来たんですよ」
「げ。入って来たの? あれに?」
「でしょ? 私が監修してるんだから当たり前でしょ」
辻先生は怖いのがさも当たり前かの様に、腕を組んでそう言う。
流石です、辻先生。
「怖かった……けど、樫君いたから」
なんて、照れ臭そうに頬をピンクにしてそう話すから。
こっちがニヤけてしまう。
「それじゃ、私達は他回って来ますね!」
真中さんはまだ少し恥ずかしそうだったけど、元気よくこっちに手を振って樫君の元へと走り寄った。
そして、素敵な笑顔を彼に向ける。