肉食系男子に、挟まれて【完結】
少しずつ剥がれていく
久住君のクラスの授業が終わり、放課後まで他のクラスに行ったりで、幸いなことに山本先生とほぼ顔を合わす事がなかった。
昼に少し会話したぐらい。
それも、あっちが一方的に話しているのをはあ。へえ。って聞いているだけだった。
辻先生はニヤニヤしていたけれど。
久住君は真面目で、授業中も色々質問してくれたり、問題に解答してくれたりと助かる。
他のクラスだとこうはいかない。
指名するとまあ、大体嫌な顔をされるものだ。
だからこそ、久住君の存在に救われている。
「はあ、終わらないっ」
パソコンに向かってた私は背伸びをすると、そうぼやく。
「いつももっと早いのにね、どうしたの?」
辻先生がコーヒー片手に足を組むと、体をこちらに向ける。
帰る気満々な辻先生の机の上は既に綺麗だ。
仕事が早くて羨ましい。
「ちょっと寝不足で集中出来なくて」
「ああ、成程。あるよね、そういう日」
「ですよねえ」
「……寝不足だけじゃないんじゃないの?」
「え?」
どういう事?
クエスチョンマークが頭の上に並ぶ。