肉食系男子に、挟まれて【完結】

「はいはい、からかうのやめて下さいね」


私は呆れた口調で言うと、山本先生が心外そうな言い方で反論してくる。


「え!? 何でからかってる事になるんですか?」

「なります。初対面でいきなりそんな事言われても信じられません」



ふいっと顔を背けて、私はタオルを再度カバンに突っ込む。
畳んだりはしてやらん。ふん。



今日は集中出来ないから、明日やろう。
そんで、帰ったら冷えたビールでも飲もう。


発泡酒じゃなくて、最高級ビール。
三百円ぐらいするたっかいの。

つまみは焼き鳥か、枝豆か。


それで、深夜まで寝てやる。
ドリームパインを観る為に。


昼に携帯で確認したんだよね。
今日やるってわかったし。



「まあ、冗談だと思われてもいいですけどね」



後ろからそう声が聞こえる。
え?と思って、振り返った時には既に山本先生は自分の席に戻って行くところだった。


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