肉食系男子に、挟まれて【完結】
「久住君は動詞を……えっと、例えばこのworryとかね。
それを適切な形にするのが苦手かな」
「そうかもしれないです」
そう言いながら、説明して行く。
何度も何度も考えて、理解出来た彼はパアッと笑顔を見せた。
「そういう事だったんですね!
わかりやすかったです、先生」
「ふふ、よかった。久住君は飲み込み早いから教えてて私も楽しいよ」
「先生の教え方が上手だからですよ。
それに英語の発音もとっても綺麗」
「そうかな」
「はい、そうですっ」
ああ。可愛い。
ふわふわしてるなあ、本当に。
可愛いからって贔屓してるつもりは一切ないけどさ。
「どうしたんですか?」
「え?」
「俺の顔に何かついてます?」
じっと見過ぎてしまっていたらしい。
私は手をぶんぶんと振りながら、慌てて否定した。
「違う違う、久住君の髪の毛いつもふわふわだなって思って」
そう言った後、久住君はキョトンとした顔を見せた。
目をくりくりとさせながら、私を真っ直ぐに見つめる。
それから、久住君はぐいっと身を乗り出すと
「触ります?」
と上目遣いで笑った。