肉食系男子に、挟まれて【完結】
「えっ」
目の前にはふわふわの髪の毛。
まさか、こんな事を言われると思ってなくて、完璧動揺。
「いや、えっと」
触りたいっていうわけがない。いや、触りたいけど。
そうじゃなくて、なんか、変な方向に話が進んでいる様な気がしてならない。
何だ、私思考がおかしくないか。
「触りたくないんですか?」
体を戻してカタンと音を立てながら椅子に座り直すと、見るからにシュンッと落ち込む久住君。
「いや、触りたくないわけじゃないよ?
ちょっと吃驚しただけで」
「じゃあ、どうぞ」
語尾に音符マークが付きそうなほど、弾んだ声で言う久住君。
「……では、失礼します」
「何それ、先生おっかしい」
「いや、だって」
そう言いながら、彼の髪の毛に触れた。
思っていた通りの猫っ毛で、ふわふわと手に優しくあたる。
これ。
これって。