肉食系男子に、挟まれて【完結】
いつもならエレベーターを待つけど、今日は時間がない。
走るしかない。ああ、スニーカーにすればよかった。
色々後悔しながら、私は職場まで走る。
私の職場は地元にある高校だ。
もう教師になって三年経つ。
甘酸っぱい青春を過ごす生徒を見ているのは、私も嬉しいし、楽しい。
大変な事も多いけど、それでもやりがいを感じていた。
三十まで後少しだったけど、焦りはない。
教師になり彼氏なんか作る暇なかったけれど、それでも私の人生は充実していた。
高校に到着すると、部活で来ている生徒からの元気な挨拶が届く。
笑顔で挨拶しながら、クスクスと笑う生徒に少しだけ頬を染めた。
生徒はもう少し遅く登校して来るけど、それでも遅刻ギリギリはまずいよね。
明日からもうちょっと早く起きようっと。
……いや、深夜にドリームパインがやってなければな。
昨夜。幼少時代、ハマったドリームパインがやっていたわけで。昔を思い出して、無我夢中でそれを鑑賞してしまったわけである。
いいとこで終わってしまったから、多分今日か来週やるんだろうな。
これは絶対生徒に言えないなあ。むしろ、ドリームパインってなんですか?って笑われて終わりだろう。