肉食系男子に、挟まれて【完結】



「俺はダメってどういう事」


鋭い視線に、何も言えない。
それ以上に、怖くて言葉が出ない。


「生徒ならいいわけ?
俺、何かした?」


してるでしょう、現在進行中で!

からかうならやめてって言ったのに。
それに、生徒ならいいなんて言ってない。



「とりあえず、俺はあんたの事を気に入ったの。
めっちゃタイプなわけ。どツボ。
だから、口説こうとしてるのに俺がダメってどういう事?」



……タイプ、って。言葉がでない。




「……はあ」


目の前で顔を歪ませながら溜め息をつくと、彼の手が緩む。
私の手首を解放すると、一歩後ろへと下がった。



「……ごめん。
ちょっとカッとした。
だけど、タイプってのはまじ。
だから、えーっと、避けないでくれると助かる」


私はじーっと全く以って信頼していない目で山本先生を見る。

< 34 / 225 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop