肉食系男子に、挟まれて【完結】
「俺はダメってどういう事」
鋭い視線に、何も言えない。
それ以上に、怖くて言葉が出ない。
「生徒ならいいわけ?
俺、何かした?」
してるでしょう、現在進行中で!
からかうならやめてって言ったのに。
それに、生徒ならいいなんて言ってない。
「とりあえず、俺はあんたの事を気に入ったの。
めっちゃタイプなわけ。どツボ。
だから、口説こうとしてるのに俺がダメってどういう事?」
……タイプ、って。言葉がでない。
「……はあ」
目の前で顔を歪ませながら溜め息をつくと、彼の手が緩む。
私の手首を解放すると、一歩後ろへと下がった。
「……ごめん。
ちょっとカッとした。
だけど、タイプってのはまじ。
だから、えーっと、避けないでくれると助かる」
私はじーっと全く以って信頼していない目で山本先生を見る。