肉食系男子に、挟まれて【完結】
「もうこういう事しないから」
「……本当ですか?」
「……多分」
「はい!?」
ここで、多分って普通言いますか。
そこは絶対しません。じゃないの?
見るからに萎れてて、少し同情した私がバカみたいじゃないか。
「明らかに狙ってる男が身近にいるのに、何もしないとか。
取られたらどうすんの」
彼はさも、それが当然の様にいい切るけどね。
おかしいですからね?
取られる前提なのも。
彼氏欲しいと思っていないし、そもそも私好きな人いないから。
それに、久住君のは違うかもしれないし。
何かの間違いかもしれないし。
……だと、信じたい。うん。
「とにかく、お隣さんとしてもよろしくね。センセ」
ケロっとしながら、山本先生はそう言うと手をひらひらしながら廊下へと出て行く。