肉食系男子に、挟まれて【完結】
春斗
帰路にあるスーパーに立ち寄ると、つまみになりそうな惣菜とビールを数本カゴに入れる。
すると、
「あっれー安西センセ」
なんて、呑気な声が聞こえた。目の前にはラフな格好をした山本先生の姿。
カゴにはたくさんの野菜やら様々な食材。
……まじかよ。
そりゃお隣さんだし、このスーパー使うでしょうね。
でも、タイミング良過ぎ。
買ってから帰ったと思っていたのに。
「どうも」
「偶然。今帰り?」
「ええ、そうです」
「何か、素っ気なくない?」
「ソンナコトナイデスヨ」
私は視線を合わさない様に、食材を見ながら返事をする。
早くどっか行ってくれ。お願いだから。
「うっそ、あ。
さっきの意識しちゃってるんでしょ?」
「はっ!?」
含んだ笑いを見せて、からかうように言った山本先生。
こ、こいつはいけしゃあしゃあと。さっきのは嘘だと思いたいのに。
その減らず口を縫いつけましょうか?
ムカつく。
本当にムカつくぞ。
しかも、何か馴れ馴れしくないですか!
敬語で喋っていた爽やか山本はどこに行った!