肉食系男子に、挟まれて【完結】

「いいね。それぐらい意識して欲しかったし。
初日から飛ばした甲斐あった」


そう言って、ペロッと舌を出す。
先程、貴方避けないでくれると助かるとか、なんか凄い下手に出てませんでした?


何コレ。
避けても全速力で追いかけて来そうなんですけど。



「一人で晩酌? 俺と一緒に飲」
「飲みません」


彼の言葉を遮ると、私はふいっと顔を背けてレジへと向かった。
早く帰ろう。


もちろんすぐに追いかけて来る山本先生。


「ちょ、ちょっと待って」


つまみとビール数本の私と、カゴ一杯の食材の山本先生。
サクッと会計を終えた私は、サクッとスーパーを出る。


ああああって声が聞こえるけど、気にしない。知らない。私は何もわからない。



帰る道中、さっきの言葉を思い出してムカムカとする。
こんな時、普段なら癒しの久住君の事を考えてイライラを誤魔化したりするんだけど。



……今日のまさかの久住君の行動。


少なからず、ショックを受けていた。
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