肉食系男子に、挟まれて【完結】


私、何普通に山本先生と乾杯しているの。
おつまみ用意しているの。

そりゃ危機感ないって言われるよ。



とりあえず、今日は諦めてやり過ごして、明日から気を付けよう。
うん、そうしよう。


ぐっと拳を作っていると、背後からガチャリと扉を開ける音がした。


「お待たせ」

「いえ」

「……結構ラフですな」


Tシャツにボーダーの長パンツ。部屋にいる時は基本この格好だ。


「すみません、自分の部屋なので」

「ですよね。つまみ用意してくれたんだ。
んじゃ、これもどうぞ」


テーブルに乗ったおつまみを確認すると、手に持っているタッパをおつまみ達の横に並べた。


「何ですか、これ」

「油淋鶏的な」

「え。まさかと思うんですけど、これって」

「うん、俺が作ったよ」


めっちゃ美味そう。
ネギと、黄金色に揚がっている唐揚げがヤバい。


一つ摘まむと、私は口の中に放り投げた。


……とても美味い。美味しいです。



「美味しい、です」

「本当~? よかった」


ニヘラ~と顔を緩めると、山本先生はビールを飲む。

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