肉食系男子に、挟まれて【完結】
「俺は枝豆いただき」
「あ、はい。買って来たものですけど」
「気にしないっ。うまい」
「おかわりはいりますか?」
「うん、いるー」
返事をすると、山本先生はビールをゴクゴクと飲み干す。
空になった缶を笑顔で手渡した。
それを受け取ると、シンクに置いて冷蔵庫から冷えたビールを二本取り出す。
「どーぞ」
「どーも」
プシュって音を立てて、プルタブを開けると口をつける。
予定では今頃、お風呂からあがって一杯やってから、眠りに就いていたんだろうけどな。
まあ、いいか。
枝豆を一つ取ると、そんな事を考える。
その時、ふいに山本先生が尋ねて来た。
「ねえ。敬語、いつ抜けるの?」
「え」
枝豆を口につけたまま、私は動きを止めて彼を見た。
ベッドに寄りかかりながら、彼は少しだけ頬を染めている。
「てか、下の名前は?」
「え?」
「俺、名前見るの忘れちゃったよ。何ていうの?」
「真央梨、ですけど」
「真央梨。うわあ、名前も可愛い」
可愛いってあんまり言わないでほしい。
しかも二人きりの時に。
「それで、敬語はー?」
「あの、もしかしてですけど、酔っ払ってます?」
さっきよりも微妙にテンション高いし、目が据わっている様な気がしなくもない。