肉食系男子に、挟まれて【完結】
「ぜーんぜん。まだまだイケるよ。
つか、敬語だよ。また。真央梨」
「いや、そんな無理ですって。
てか、呼び捨てにしないで下さい」
「何でー? 真央梨って可愛いし。真央梨って呼んじゃダメ?」
「ダメです」
「あーまた敬語」
「敬語使わないだなんて言ってません」
会話を交わす度にちょっとずつ、彼が私に迫って来る。
それと一緒に私も後ずさる。
ジリジリと顔を近付けて来て、
「次に敬語使ったら唇奪っちゃうからね?
あ。キスしたいなら遠慮なく敬語でどーぞ」
そうやってニッコリと笑った。
「わかりました、いや、わかった。わかったから、離れて」
「えー。でも、敬語じゃなくなったからいっか。
素直に離れてあげる」
「…………」
素直に離れた山本先生だけど、上機嫌にビールを飲んでいる。
絶対酔っ払っている。