肉食系男子に、挟まれて【完結】


「二人の時だけでいいから」

「……わかった」

「まじで!」

「そうしたら学校では敬語なんでしょ?」


目をキラキラとさせて、うんうんと何度も頷く彼に思わずふふっと笑みが零れた。


「……酔っ払ったらなんか、小動物だね」


見た目は普通に肉食系なのに。
身長もある方だし、スーツとかピシッと身に纏っていたらIT企業とかに勤めてると言われても疑わない。


普通にモテそう。


そう思っていると、くいっと腕を引かれた。
私の視点は反転して、背中にはベッドの感触。


視界には見下ろす彼の顔。
逆光でうまく表情が見えない。



「そう? ずっと真央梨っていう獲物を狙ってる狼だけど?」




低くて、ピリピリと痺れる様な言い方。薄目で本当に獲物を狙っているような鋭い視線。
それにドキンっと心臓が大きく跳ねた。

本当にさっきまでふわふわと上機嫌にビールを飲んでいた男だろうか。



「言ったよね? 危機感ないって。
言ったよね? 酔っても記憶はあるって」

「……っ」


声にならない。腕を動かそうとするけど、びくともしなかった。

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