肉食系男子に、挟まれて【完結】

「本当に、油断し過ぎ。
好意持たれてる男を部屋に上げてる時点で、どうぞ食べて下さいって言ってるようなモンだから」

「ちがっ」

「あれは不可抗力って言いたいわけ? あんなんわざとだし。俺は卑怯なんです」


何も言えなくて彼のことを睨みつけることしかできない。


「俺だからいいけど……他の男にまでこうなのかもって思ったら、少し不安なんですけど」

「……俺だからって」



お前が一番危険だわ。
こんなん今までされた事なかったから。
こんな状況じゃなかったら大声で言ってやりたかった。



「そうでしょ。どんだけ理性飛びそうになるのを我慢してると思ってるの。
俺じゃなきゃとっくに食べられてるって」

「食べられてませんから!」

「ほう?」

「もう離してっ」

「……ん」


すっと手を離すと、彼は私の上から離れて頭をがしがしと掻いた。


それから、スッと立ち上がると


「お邪魔しましたー。
明日、学校でね。真央梨」


と、ウインクを残して、さっさと部屋から出て行った。

< 52 / 225 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop