肉食系男子に、挟まれて【完結】
「本当に、油断し過ぎ。
好意持たれてる男を部屋に上げてる時点で、どうぞ食べて下さいって言ってるようなモンだから」
「ちがっ」
「あれは不可抗力って言いたいわけ? あんなんわざとだし。俺は卑怯なんです」
何も言えなくて彼のことを睨みつけることしかできない。
「俺だからいいけど……他の男にまでこうなのかもって思ったら、少し不安なんですけど」
「……俺だからって」
お前が一番危険だわ。
こんなん今までされた事なかったから。
こんな状況じゃなかったら大声で言ってやりたかった。
「そうでしょ。どんだけ理性飛びそうになるのを我慢してると思ってるの。
俺じゃなきゃとっくに食べられてるって」
「食べられてませんから!」
「ほう?」
「もう離してっ」
「……ん」
すっと手を離すと、彼は私の上から離れて頭をがしがしと掻いた。
それから、スッと立ち上がると
「お邪魔しましたー。
明日、学校でね。真央梨」
と、ウインクを残して、さっさと部屋から出て行った。