肉食系男子に、挟まれて【完結】
それに目をぱちくりとさせる。
あまりにもあっさりとした帰り方に、呆けたというか。
肩すかし食らったというか。
もっと食い下がると思っていたから。
放心しながら私は彼に掴まれた箇所を、そっと掴む。
少しだけ、じんじんとして痛い。
そこだけ熱を持った様だ。
押し倒されてから、ドキドキとして鼓動がうるさい。
ああ。もう。
ほんっとうに何なんだよ、あの男は。
突然現れて、突然好みだって言って、突然押し倒して。
わけわかんない。
もう、わけわかんない。
春斗って呼べって言ったり。
危機感持てって言ったり。
なのに、あっさり帰ったり。
すっごく振り回された一日で、とにかくドッと疲れが押し寄せて来る。