肉食系男子に、挟まれて【完結】
羊か、狼か
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「安西ちゃん、酷く不機嫌そうだね」
真っ青な空が広がる本日。
気持ちいい程の秋晴れ。
ここは朝の職員室。
だけど、私はとてつもなく不機嫌だ。
何故なら。
昨日、ドリームパインを見逃したからだ。
あの後、もう少しビールを飲んでいたら、睡眠不足も相まって眠ってしまった。
そして、気付いたら朝だった。
起床時間、5時。
まだ暗かったし、勘違いしたよ。
そして、時計を確認して愕然としましたよ。
それもこれも、全てあの男の所為だ。
と、責任転嫁してみる。
「すっごく楽しみにしていたテレビ番組を寝てて見れなかったので」
「ああ、あるね。起きてから時間を何度も確認しちゃうヤツね」
「そうです、それです」
「そんなに見たかったのなら、DVDとかレンタルしてくれば?」
「そうなんですけどね」
辻先生の言ってる事はごもっとも。
だけどさ。
ちょっといい年した独身女性がドリームパイン借りるのって少し抵抗があるんだよな。
しかも、近くのレンタル屋若い男の子が働いていて、余計気が引けてしまう。
いや、人の目なんて気にしなくていいんだろうけどさ。
これでも少しは気にするさ。