肉食系男子に、挟まれて【完結】

「また、勉強教えて貰ってもいいですか」


不安そうな顔で、そう尋ねる久住君。
私はふっと微笑むと即答した。


「もちろんだよ」

「……よかったです」


微かに微笑んだ久住君の顔は、少しだけ大人っぽく感じた。
そんな彼、今まで見た事がない。



「早く行きましょうか。チャイム鳴っちゃい……あ」


そう言ってる途中で、頭上でチャイムが鳴り響く。
二人して顔を見合わせると、慌てて教室へと入った。



久住君のクラスでの授業を終えてから、職員室に向かう。
その間、さっき言われた言葉を思い出していた。



……謝らないだってさ。


いや、謝る必要はないと思うんだけども。


あれは本気だったんだ。


でも、違うと思うんだよな。
高校生ぐらいの時って、年上に妙に魅力を感じたりするし。


私も先生にときめいてたりしたし。
告白とかは一切するつもりなかったけど。


憧れを好きだと思い込んでるんじゃないかなって。



でも、私からちゃんと生徒だからって線引きしてあげないとな。

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