肉食系男子に、挟まれて【完結】




それを考えると、少しだけ憂鬱になる。
だけど、私しか言えないんだから仕方ない。


顔を俯かせて歩いていると、ふいに声がかかった。


「あ、安西センセッ」

「……山本先生」


素敵なスマイルを張り付けた山本先生が私の並ぶ。


「朝、何かあったんですか?」

「朝?」


何だろう? そう思って首を捻ると、すぐに返って来る。



「え。俺の事、睨んでませんでした?」

「あ」


そうだ。
ドリームパイン観れなくて、睨んだんだ。


山本先生は、何も悪くな……いと思う。



「昨日のテレビ見過ごしまして」

「ああ。言ってましたね。それでか。納得」

「納得なんですか」

「あの後、もっと飲んだんでしょ?
だから、起きてられなかったんじゃないんですか?」

「……ぐ」


図星ですわ。
だから、返す言葉もない。



「俺は逆で、眠れなくて結構深夜まで起きてたわ。だから眠い」


と言いながら、ふわあと大きな欠伸一つ。


目をしぱしぱとさせながら、ニヒって微笑む。



「何かテレビ見ようにも、何もやってねえし、やってるのはわけわかんないアニメだったし…」



わけわかんないアニメって、それって。
まさか、ドリームパインですか。

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