肉食系男子に、挟まれて【完結】
「見たんですか」
「え?」
「そのアニメ見たんですか」
「いや、すぐにチャンネル変えちゃったから」
パイン……。
「え。まさか、あのアニメが見たかったわ」
「違います」
私は山本先生の言葉を遮ると、大きく足を踏み出して一人で先に職員室へと向かった。
余計にムカついた。
もう、山本先生の所為でいいだろう。
きっと、ドリームパインの視聴者は共感してくれる筈だ。
どさっと自分の机に資料を置くと、私は乱暴に椅子に座る。
それから、ファイルを開く。
テストも作らないとな。
文化祭の経理関係もやらんとだし、やる事はたくさんだ。
とりあえず、今は文化祭について。
それを終わらせよう。
これから一時間は時間空くし。
給湯室でコーヒーを入れて、角砂糖を一つ落とした。
よしっと小さく気合いを入れて、私は作業を開始した。
どうにか、今日中には終わりそうだ。
予算、内訳、計上。
全てをまとめ上げて行く。
それと、進行についてとかも再度確認。
そういえば、久住君のクラスは何やるって言ってたっけな。
体育館使用する予定だった様な。
私は引き出しから、今年の出し物が記載された資料を取り出すと確認する。