肉食系男子に、挟まれて【完結】
「いやあ、昨日資料見てて思ったんですよね。
バンドとかしたら盛り上がるんじゃないかなあって。
それを教頭先生に提案したら、まあ、すんなり通りまして」
あははって手を頭の後ろに持って行きながら笑う山本先生。
いや、それはわかる。
わかるよ、確かに盛り上がるだろうよ。
「でも、何で私も!?」
「え、安西先生だけでなく全員強制です」
「………ちょ、それは辻先生も?」
「はい、もちろん」
すっごく自分が出るのは嫌だけど、辻先生の楽器を演奏する姿とか歌う姿は正直興味がある。
「今日から練習ですからね」
「………はい?」
ニコニコ顔の彼の言葉の意味が理解出来ず、嘘でしょの意味も込めて再度尋ねるけど、山本先生は変わらず笑顔で答えた。
「文化祭までほぼ毎日です」
私のビールが遠ざかっていく。
折角、資料も作り終えそうだったのに。
ガクっと肩を落とすと、私は力なく頷いた。