肉食系男子に、挟まれて【完結】
「安西先生は何か演奏とか出来ないんですか?」
「……昔ピアノを少々。と言っても今は全然弾いてないし」
「ほう」
顎に手をあてると、山本先生の目がキラリと光った気がした。
完璧口が滑った。
いや、どうせ何かやらなきゃならないのなら少しでも弾けるモノの方がいいけど。
いいけどさ!
いいんだけどさ!
「んじゃ、決まりで。俺が提案したから、企画しなきゃならなくてさ。
とりあえず、配役決まったら資料配りまーす」
「……はい」
とりあえず、後で辻先生に報告。
そして、今日の飲みはおじゃんになったって事を伝えないといけない。
いや?
その後に行けばいいのか?
週末ならまだしも、こんな週半ばに行くのもダメか?
とにかく、どうなるかわかんないけどなるようになれだ!
それから、昼になり辻先生に事のあらましを説明すると、あからさまに顔が歪んだ。
想像通りの反応に苦笑する。
すぐに立ち上がると、山本先生の机へと向かった。
それを後ろから私は眺めるだけ。
口は挟まない。