肉食系男子に、挟まれて【完結】
「安西ちゃんと他の先生とは声のトーンが違うね」
「ええ、わかりません」
「まあ、そうだろうな。でも、私はわかる」
辻先生が腕を組み、ふふんっと得意げに笑う。
「何ですか、それ」
「気を付けなよ。男子高校生なんて、あれの事しか考えてないんだから」
「えええ。ちょ、ちょっと、何を……」
私が顔を赤くして、動揺しているとそんな姿も楽しいのか、辻先生はカカカっと水戸黄門もびっくりの笑い方で笑った。
「あ、そうだ。鳥山先生の後任今日からでしょ?
楽しみ~」
目がキラっと光る辻先生は完璧ハンターだ。恐ろしい。
鳥山先生は只今、産休中。
それから育児休暇も取るだろうから、暫く復職までに時間がかかるだろうな。
後任が男の先生ってのは私も聞いたけど、どんな先生とか全く聞いていなかったから気にはなっている。
辻先生はきっと、教頭みたいなおっさんを想像しているんだろうな。
まあ、私もそんな中年の先生を想像してるんだけれども。