肉食系男子に、挟まれて【完結】
久住君の、ふわふわの髪の毛が揺れた。
それから、ちゅっと何かが口に触れる。
避ける隙なんてなかった。
だって、一瞬だった。
告白をされてから。
くいっと腕を引かれて、顔が近付いて、それはすぐの出来事だった。
口元を手で覆うと、私は目を何度も何度も瞬かせる。
「好きなんです。入学した時からずっと」
それは、憧れ。
違う。違うよ。
好きとは、違うんだよ。
そう言いたいのに、言葉にならない。
あまりにも久住君の顔が真剣で。
真っ直ぐに私を見ていて。
何も言えなかった。