肉食系男子に、挟まれて【完結】
「本当に好きなんですね」
「うん、好きだね。
前の部屋でも弾いてたけど、音が漏れて夜は弾けなくて中々ストレスだったな」
「へえ」
「そんで、また敬語。本当にキスしちゃうよ?」
「あ。すみま……じゃなくて、ごめん」
「よろしい。はい、どうぞ」
カタンとガラスの小さいテーブルの上にお皿を置く。
それとビールと、ZIMA。
「……ん? ZIMA?」
「俺の」
「え。ビールじゃないの?」
目をぱちくりとさせて尋ねると、山本先生はくすりと笑った。
「俺、ビール飲むと結構酔っ払っちゃうから飲まないようにしてるの。
普段はサワーとかばっかだよ」
だからか。
昨日、微妙にテンション高かったのは。
納得いってしまった。
あれ?でも、何で自分が飲まないのにビール?
「ビール何であるの?」
そう聞くと、山本先生は目を何回かぱちぱちとさせる。
キョトン顔で、首を捻った後。
「だって真央梨、飲むでしょ?」
あたかも、それが普通かの様に言った。
私のために用意したってこと?
「え、あ、うん」
飲むけど。
飲むけど。
……冷静に考えても、おかしいよね?