肉食系男子に、挟まれて【完結】



“はい、嬉し過ぎて泣きそうです、真央梨先生”


樫君と付き合えた真中さんは、本当に嬉しそうな笑顔だった。

すっごくすっごく幸せそうだった。


そんな彼女に、私はその恋は偽物だよなんて言えない。
そのぐらいの時の恋愛は本気じゃないだなんて。


……それを、私は久住君に言おうとしてた。



自分がいざ、そっち側に行った時にそうやって切り離そうとしていた。

対処しきれないって、逃げていたんだ。


私は久住君とちゃんと向き合わないといけない。


それを、この男に気付かされたのが少しだけ癪だけど。
でも、山本先生は久住君を子供扱いせずに一人の男として、あの時話していた。



“何? じゃあ、一ヶ月好きでいたら口説いていいの?
半年? 一年? アホか。
他の誰かに取られたらどうすんだよ。
俺が好きになったんだよ、魅力ある女って事だ。
誰かが奪ってったって仕方ない”



私、久住君に最低な傷負わせるとこだったな。

告白を受け入れたうえで、きちんと断らないといけないんだ。
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