肉食系男子に、挟まれて【完結】
……逃げて来ちゃったよ。
今日。
あほだよ。私。
明日ちゃんと話そう。
明日逃したら土日だし。
「んで。俺の気持ちはどう想ってるの」
「はい?」
間の抜けた声を出すと、山本先生はお酒の瓶をテーブルに置きじわじわと距離を詰めて来る。
それと一緒に私は後ろに下がって行く。
「どうなわけ」
「いや、それは」
「真央梨」
「っ」
そんな潤んだ瞳で、名前呼ばないでよ。
変に意識しちゃうじゃんか。
ドキドキと心臓の音が聞こえて来る。
「会った瞬間に想った。一目惚れだった。
俺、真央梨が好きだよ」
「……っ」
「真央梨、少しは俺を意識してる?」
こんなんされたら、意識しまくりだ!バカヤローーー!!
何も答えられずに、私は顔を俯かせて唇を噛む。
すっと彼の手が私の頬に触れた。
「あー……」
何かを考えてるのか、山本先生は動かない。
そんな彼を不思議に思って、覗き込む。