肉食系男子に、挟まれて【完結】


「……だから、上目遣いで俺を見ただろって」


見てないですけど。

全然、そんな事した記憶ないんですけど。



「それにきゅっと唇噛んでるとことか、まじでやめて」

「……してないんだけど」

「……だから天然、勘弁」


山本先生は両手で顔を隠すと、


「まだ付き合ってないんだから、手出したくないでしょ」


ぽつりと呟く。



それに一瞬、何を言っているのか理解が出来なかった。



手を、出したくないって言った?

それなのに、抱き締めて来たり、キスするぞって言ったりするわけ。



うん? え? 今、手を出したくないって。
あれ? 聞き間違い?



「あのさー俺、抱き締めたりしてるけど、キスとかはしてないよな?」


そうだけど、私からしたら抱き締めてるのもどうかと思うが。

「信用されてないのわかってるし、それで手まで出したら真央梨はそれ目当てだったって思うでしょ」


絶対、思う。
それの為だけだったんでしょって。
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