肉食系男子に、挟まれて【完結】

あの態度だと、絶対私の事わかっている。
……お隣さんなんて、すっごく嫌なんですけど。


つか、そんな偶然ありなの?
あり得なくない?


とんでもない不運に溜め息をつきそうになった。


「山本です。短い間ですが、どうぞよろしくお願いします」


さっき私に見せた笑みとは打って変わって、とっても爽やかにテンプレートな挨拶をする山本先生。


とりあえず、あまり関わらない様にしよう。
よし。鳥山先生、一年の教師だし。
私は二年だし。

話さなくてもいける。きっと。


隣の部屋とか休日まで緊張したり、気を遣ったりしたくないんですけど。


なのに、山本先生は私の目の前にやって来るとニッコリとまたまた爽やかな笑みを作った。



「ここの先生だったんですね。安西先生。
わからない事があったら聞いてもいいですか?」

「あ、ええ。どうぞ」


私はとって貼り付けたような笑顔を見せる。あんなニコニコ笑顔を作られたら、断れない。
それに他の先生も見てるし。
無碍な態度は取れないでしょ、これ。


「安西ちゃん、知り合い?」

「ちょ、ちょっと……」


まさか、お隣さんだなんて言えない。
私は天井を見上げ明後日の方向を見た。
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