肉食系男子に、挟まれて【完結】
「よし、行くか。安西ちゃん」
楽器やらを所定の位置に戻すと、スキップしそうな勢いで私の元へ来る辻先生。
にんまり顔で、どことなく嬉しそうだ。
……全くもう。
こうなったら、ヤケクソだから全部暴露して飲みまくってやる。
辻先生は口が固いし、そこは信頼しているから話してもいいかなって思っていた。
てか、誰にも話せない内容だから誰かに聞いて貰いたかったってのは事実。
……話せないよね。
生徒に告白されただなんて。
しかも、キスされましただなんて。
辻先生、泡吹くかも。
はは、それはそれで見たいけど。
帰宅の準備をして、私達は一緒に校門を潜った。
居酒屋に到着すると、二人して第一声は「生!大ジョッキ!」だ。
私は一貫して生ビールなんだけど、辻先生は最初だけ生でそれからは徐々に焼酎へとシフトチェンジする。
たまに日本酒とか。
うん、渋い。
辻先生は店員に渡されたおしぼりで手を拭きながら、
「よしーお腹空いたー」
とタッチパネルでどの料理を頼むか悩んでいる。
私もそれを見ながら、適当に選んで行く。
それから、ジョッキとお通しが運ばれて来てお互い手に持った。