堕天使、恋に落ちる
目を覚ますと、一徹の膝枕で横になっていた。
初めてこの部屋に来た時のように―――
やはり裸で、一徹のジャケットがかけられていた。
両手のネクタイも外されていた。

一徹の真剣に書類に目をとおしてる姿に、ドキッとする。
カッコいい………
「一徹…」
「ん?起きた?」
「抱っこして?」
「ん?ちょっと待ってな…!今これを纏めてて…」
「やだ…今抱っこして?お願い…」
「その顔ズルいよ、由那…そんな顔されたら、待ってなんて言えねぇじゃん!」
そう言うと書類をテーブルに無造作に置き、私を膝の上に座らせ抱き締めてくれた。

私は一徹の首もとに顔を埋めた。
「一徹」
「ん?こんな私嫌?仕事の邪魔して、ワガママ言う私」
「ううん。大歓迎だよ」
「フフ…じゃあこれは?」
一徹の首を、ハムっと甘く噛んだ。
「…っつ、大歓迎…。
でも理性がもたない…」
「フフ…あ、赤くなった…でもちょっと噛みすぎた。少し傷が…ごめんね…」
「いいよ…由那の噛み痕なら…」
「ごめんね!私もいいよ!噛んで!」
「は?やだよ」
「ほらっ首!いいよ!でもあんま痛くしないでね?」
一徹の口元に首を差し出した。
「由那に傷つけるとかあり得ねぇよ?キスマークならたくさんつけたいけど。傷はダメだ!」
「私がいいよって言ってるの!一徹ならいいよ!」

「だから!ダメ!こんなに綺麗なのに……。
それにキスマークいっぱいついてるでしょ?だから十分」
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