堕天使、恋に落ちる

｢つか、腕細っ！折れそー｣
｢嫌！！離して！！｣
怖い……一徹助けて………！！

｢一徹！一徹！助けて！！｣
｢てか、キスマークも凄っ！じゃあ全部俺が上書きするか！｣
｢や、やだ！ほんと、やめて！
嫌ぁぁぁぁーーー！！｣


ガン！ガン！ガン！
バン――――！！！！
｢由那！！！｣
｢天使ちゃん！！？｣
｢一徹…？命さん…｣

黒い……真っ黒な雰囲気の二人がこちらに、ゆっくり二人が近づいてくる。
私を組み敷いていた男性は固まったように、動かない。
私は力を振り絞って、この男の人を突飛ばし、
｢一徹ぅぅ｣
必死で一徹の方に走った。
｢由那！！｣
力いっぱい一徹に抱き締められる。

｢一徹…一徹…うぅぅ……｣
｢もう大丈夫だよ……もう大丈夫…ごめんな…遅くなって…｣

一徹の匂い。
一徹の温かさ。
一徹の力強い腕。
｢怖かったよぉ｣
一徹の大きな手が背中を擦る。

｢ごめんね…天使ちゃん…俺のせいで。巻き込んだ｣
命さんが私にひざまづいて、言う。
｢いえ、大丈夫ですよ。一徹、命さん帰ろっ！｣

ゆっくり命さんが頭を振る。
｢え？命さん…？｣
｢ごめんね…こいつ等は赦されないことをしたの。だから落とし前はつけてもらわなきゃ！
俺にとって、天使ちゃんは大切な宝物なんだよ。君が一徹の女でもね。もちろん一徹も大切な仲間。だから、何があっても赦さない｣
｢え…ねぇ一徹！命さんを止めて！？
私大丈夫だよ！
ねっ！ほ、ほら今から三人でまた食事しよ！
私食べたいのあるの！だから、ねっ！｣

｢由那…ちょっとごめんね……｣
｢え？
ん………｣
え―――？
なんか口に入って――――
あ、意識が………

私はそこで意識をなくした。