堕天使、恋に落ちる
由那は病院に運ばれた。
【命は取り留めました。
しかし、意識が戻るかどうか……】
由那の細い腕に、痛々しく点滴が刺さっている。
俺はひたすら、由那の小さな手を握っている。
命や、ホスト、従業員などかわるがわる見舞いに来てくれている。
病室が花束でいっぱいで、こんなに華やかなのに由那はいっこうに起きない。
由那はこの一ヶ月なんの変化もないまま、眠り続けていた。
「由那…早く起きて?
そしていっぱいキスして、愛し合おうよ…!」
頬を撫でると、とても柔らかくて温かいのに、ただ眠っているようにしか見えないのに、なんで起きないんだよ……!
「なんで、天使ちゃんなんだろな……?」
「は?」
「俺達の方がたくさん傷つけてきたのに、なんで天使ちゃんが傷つくんだ?」
「あぁ、やっぱ理不尽だよな……?」
「天使ちゃん、起きてよ!また美味しいもの食べに行こうよ!
どこでも連れてってあげるよ?」
「なぁ、由那…頼むよ!なんでもお願い聞くから…!また俺達に…俺に……微笑んでよ!名前を呼んで、また“馬鹿”って言えよ!」
「……」
「俺はまだ由那をドロドロに甘く溶かしてないよ。これかなんだよ?一生かけてドロドロに甘く溶かすんだから!」
「………ねぇ…」
「え?」
「今動かなかった……?」
「え―――?」
【命は取り留めました。
しかし、意識が戻るかどうか……】
由那の細い腕に、痛々しく点滴が刺さっている。
俺はひたすら、由那の小さな手を握っている。
命や、ホスト、従業員などかわるがわる見舞いに来てくれている。
病室が花束でいっぱいで、こんなに華やかなのに由那はいっこうに起きない。
由那はこの一ヶ月なんの変化もないまま、眠り続けていた。
「由那…早く起きて?
そしていっぱいキスして、愛し合おうよ…!」
頬を撫でると、とても柔らかくて温かいのに、ただ眠っているようにしか見えないのに、なんで起きないんだよ……!
「なんで、天使ちゃんなんだろな……?」
「は?」
「俺達の方がたくさん傷つけてきたのに、なんで天使ちゃんが傷つくんだ?」
「あぁ、やっぱ理不尽だよな……?」
「天使ちゃん、起きてよ!また美味しいもの食べに行こうよ!
どこでも連れてってあげるよ?」
「なぁ、由那…頼むよ!なんでもお願い聞くから…!また俺達に…俺に……微笑んでよ!名前を呼んで、また“馬鹿”って言えよ!」
「……」
「俺はまだ由那をドロドロに甘く溶かしてないよ。これかなんだよ?一生かけてドロドロに甘く溶かすんだから!」
「………ねぇ…」
「え?」
「今動かなかった……?」
「え―――?」