堕天使、恋に落ちる
家に着き、
「じゃあ、送ってくれてありがと。仕事頑張ってね!」
「うん」
「………一徹?手、離して?」
「うん」
「一徹?」
なぜか更に手を握られた。
「俺、大歓迎だから!」
「何が?」
「重たい愛。束縛とか色々ワガママ言ってほしい。由那の為になんでもしたい。どんな事も叶えてあげるよ!」
「一徹?」
「だから、遠慮しないで俺を求めて!」
「私ほんとに重たいよ!龍一にも……あ、今朝の男にもウザいって散々言われた」
「うん、待ってる。重たい愛」
「私、堕ちた天使だよ?」
「俺にとっては天使そのもの」

「やっぱ、馬鹿だ!一徹」
フフ…と笑みが出た。
「笑った顔も可愛い!」
一徹も微笑む。
「ほんとに行かなきゃでしょ?ありがとう!色々」
「うん」
今度こそ手を離す。
「じゃあね」

そう言って家に入ろうとすると

「ねぇ!!」
「え?」

「どうせなら
堕ちるとこまで、堕ちようよ!
俺と二人で
地獄の底まで―――――」
と言われた。

そのまま一徹は行ってしまった。
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