堕天使、恋に落ちる
あまり大きくない、ソファーに並んで座りハーブティを飲む。
「ねぇ、このまま泊まって帰っていい?もう離れられそうにない」
「え…?」
「大丈夫。由那に絶対手を出さない。ただ、傍にいたいんだ」

「いいよ」
「ありがと」
「なんか一徹、女の子みたい。初めて恋してる女の子」
「そうみたい。由那は俺の初恋」
「え?でも今まで彼女いたんでしょ?」
「うーん。まぁね。でもこんなに苦しいのは初めて。だから初恋」
由那の頬を撫でた。

嬉しそうに俺の手に頬を擦り寄せる、由那。
「私も…」
「ん?」
「私も初めて。こんな風に求められたの」
「そう?じゃあお互いに初めてだ(笑)」
「そうね!」
「でもね」
「何?」
「こんなんじゃあ、終わらないよ。俺の愛はこんなもんじゃないよ。もっと甘くて深いよ…」
「うん」
「覚悟できてる?」
「もちろん」


「だったら……」
由那の頬を撫でていた手を、由那の口唇に持ってく。
そして今度は口唇を撫でながら、
「俺と一緒に住まない?」
と由那の目を見て言った。

*****一徹 side・終*****
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