堕天使、恋に落ちる
それにもう、恋なんてまっぴらだ。

でもどうせ死ぬなら最期に、思いきり愛されて死にたい。



ドロドロに甘く、溶けてしまうような愛に侵されて………

そう思い、ある場所に向かった。
それは、
ホストクラブ。
友人がホストにハマっていたことがあり、その子に頼んで連れてきてもらった。
あいにくその子は、入店してすぐに用事で帰ってしまった。
｢じゃああと、この子よろしく！｣
そう言って行ってしまった。

｢えっと、由那ちゃんだよね？今日は楽しもう！｣
｢ねぇ？｣
｢ん？何？｣
｢この店のナンバーワン呼んで！｣
｢え？｣
｢あなたじゃダメなの。ナンバーワン呼んで？お金ならあるから！｣
そう言って、ボンッと札束を出した。
｢これ…百万！？｣
｢えぇ。だからナンバーワン呼んで！｣
｢わかった｣

私についていたホストが、びっくりしてその場を後にした。

数分後……
彼は私の前に現れた。
｢初めまして！お姫様。
俺がナンバーワンの“一徹”です｣
キラキラした綺麗な微笑みを張りつけた彼。
でもどこか悲しさを隠した彼。
その彼が私の前にひざまづき、私の手を握った。


これが、出逢い。

“春日 一徹”との、甘く深い、そして苦しい恋の始まりだ。
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