堕天使、恋に落ちる
*****一徹 side*****
俺の思惑どおり、由那が会社を退職した。
これも由那を俺から片時も離さないようにする為。

でも由那が秘書の仕事がしたいとゆう事も、もちろん知っている。
俺は由那を“支配”したいが、由那の願望もできる限り叶えたいと思っている。
だから俺の傍で仕事をさせようと思っている。

昨日の電話相手は、俺の勤めるクラブ含め殆どのクラブを統括している男だ。裏の世界にも顔がきく、俺の周りで最強の男。
その男は俺の友人で、昔よく助けてやっていた。
だからその男は俺の頼みはできる限り聞いてくれる。
今回も由那を辞めさせること、俺の傍にいさせて仕事をさせることの協力を頼んでいた。

これで準備は整った。
後は二人で堕ちていくだけ。
愛の沼に―――――

会社前で待っていると、由那が出てくる。
それだけで、歓喜で震える。
由那が落とした私物に気にもとめず、走ってくる姿を見て、今度は狂喜で震えた。


甘く、苦しいキスの後、由那を抱きかかえ歩く。
「仕事って何するの?私」
「俺ね、今働いてるクラブのオーナーになるんだ」
「へぇー!凄い!おめでとう!」
「ありがと。それで由那は俺のサポートするんだよ!ずっと傍で!」
「え?」
「言ったよね?片時も離さないって!由那と一緒に住めて、抱いたらもう無理。離れるの」
「一徹…」
「嫌?
俺と仕事するの。俺は片時も離さないつもりだけど、由那が嫌がる事は絶対しない。それは誓うよ!」
「ううん。嫌な訳ないでしょ?幸せ」
「そう、よかった」

「じゃあ一度このまま“神”に会いに行こうね!一度紹介するよ!」
「うん」

*****一徹 side・終*****
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