堕天使、恋に落ちる
な、何……この捨てられた子犬みたいな目。
こんな目されたら、断れないじゃん……。
「わかったよ…」
おずおずと一徹に近づく。
瞬間的に手を捕まれ、引き寄せられた。

「きゃっ!」
一徹の膝に座り、後ろから抱き締められた。
「由那、いい匂い…」
私の肩辺りに擦り寄せている。

恥ずかしい……
顔が熱い……
「ねぇ、もう許して……隣にくっついて座るから。触れてればいいんでしょ?」
「ダメ…」
もぞもぞ逃れようとするが、がっちりホールドされて動けない。
「無理だよ。由那が動いたところで、俺には敵わない」
「ほんと恥ずかしいの……お願い…」
「フフ…顔真っ赤…!あっ、耳まで!可愛い…」


「一徹さん、失礼します!」
「あぁ。集まった?」
「はい、でもヤマトさんがまだ……」
「そう…ちょっと連絡して!」
「はい。すぐに」
「ねぇ、一徹」
「何?」
「みんな忙しいんじゃないの?今日一気に集めなくても……」
「ダメだ!由那を紹介するのは、今日一回きり!これ以降はないよ!」
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