堕天使、恋に落ちる
しばらく一徹の膝枕で、一徹を見つめていると―――
なんか喉渇いたな……
でも、仕事中に話しかけるのも悪いよね…?
かといって、ここから離れるのも嫌がるし……。
それにトイレ行きたくなってきた。

うー。
生理現象には勝てないし……。
「ねぇ、一徹」
「ん?」
「お手洗い行きたい…。あと喉も渇いた。ここ離れていい?」
「わかった。連れてくよ」
「え?自分で行くよ」
「は?一人で行けると思ってんの?」
「だよね…」
「でしょ?はい。おいで?」
私を抱きかかえ部屋を出ようとする、一徹。

え―――?
「ちょ…ちょっと待った!」
「何?」
「この格好で行くの?」
「うん、そうだよ」
「私、一徹のジャケットしか羽織ってないんだよ」
「うん、そうだね」
「誰かに見られたら……」
「それはあり得ないよ!てか、誰かに見られるようなことすると思う?この俺が!!」
「だよね…でもそのドア…」
「由那、勘違いしてる。あっちが出入口でこっちが洗面所だよ!トイレはその奥」
「へ?そうだったの…?」
「フフ…そうだよ!」
「ご、ごめん」
「いいえ!じゃあ行くよ」

は、恥ずかしい……
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