堕天使、恋に落ちる
お風呂場から出て、軽く朝食(昼食)を済ます。
いつものように一徹の股の間に座って食べていると――
「あ、可愛い…」
「ん?何?」
後ろから私の顔を覗き込む一徹。
「見て、あのネックレス!可愛いー」
TV画面を指さして、一徹に伝えた。
「欲しいの?」
「え?うーん。でも高いし…30万もするんだよ……」
「買ってあげるよ」
「ううん。いいよ…一徹からこれ以上貰う気ないよ!」
「どうして?由那の欲しいものは何でも買ってあげるよ!」
「だって服や靴も、いつもプレゼントしてくれるし、装飾品まで……それに私、ここに来てからお金一円も払ってないよ!」
「当たり前でしょ?由那は俺の女だよ。俺を受け入れてくれたんだから、由那の為に何でもするのが礼儀だと思ってる」
「一徹?」
一徹が私をギュッと抱き締める。
「だから何でも言って!」
「じゃあ―――」

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
今ジュエリーショップにいる。
「どれにする?」
ここでも一徹に後ろから抱き締められながら、商品を見ている。
「迷う……でもあまり値段が高くないのがいい!」
「だから気にしないでって言ってるだろ…?」
「やだ。それだけは譲れない!」
「フフ…頑固な由那も可愛い…」
私が【じゃあペアでネックレスが欲しい】と言ったので、出勤前に買いに来たのだ。

フッとある商品に目がいく。
イニシャル入りのネックレス。シンプルだが小さなダイヤが少し散りばめられていて、可愛い。
値段は……ちょっとだけお高めだか、さっきのよりはいいだろう。
「一徹、これがいい!」
「ん。了解!」
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