堕天使、恋に落ちる
ガチャ――――
「ごめんね…由那」
タタタ……
「おかえり…」
「由那…?」
「うー。
寂しかったよ…。あんま一人にしないで?自分が俺なしで生きれないようにするって言ったんだから!」

あぁ、これだ!
この感じだ………
ただ、抱きつかれるだけで歓喜で身体が震える。

鏡子への嫌悪感を一瞬で取り除いてくれた。

「ごめんね…こっち見て?由那」
「やだ。今きっと物凄い顔してるから……」
「え?どんな?」
「言わない…とにかく物凄い顔」
「えー。気になる…!だったら自分で見るから」
そう言って、屈んで顔を覗き込む。
由那は顔が真っ赤で、目が潤んでいた。

「由那…?」
「見ないでって言ったのに…!」
「可愛い…このまま抱きたい……」
「馬鹿…。ねぇ何の話してたの?鏡子?さんって方と…」
「ヤキモチ妬いてくれるの?益々可愛い…」
「あっ誤魔化した!可愛いって言えば、許されると思わないで!」
「いつものたわいのない話。元No.1ホストだから」

「もうしないんじゃなかったの?」
「そうだね…でもたまにはね?やっぱ嫌?」
こんな可愛いヤキモチ妬いてくれるなら、たまにはホスト業するのも悪くない……

「嫌じゃないって言ったら嘘だけど、たまになら…でも、たまにね!!」
「フフ…わかった!とりあえず今は天使のご機嫌とらなきゃね(笑)!何してほしい?キスする?由那がいいなら、ここで抱いてもいいよ?」
「ギュッーってしてほしい。苦しいやつ」

由那の骨が折れそうな位、抱き締めた。

*****一徹 side・終*****
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