堕天使、恋に落ちる
それから一徹は時々、ホスト業をするようになった。
ほんとにたまにだが。

今日も
「ちょっと行ってくるね!大丈夫…すぐ帰ってくるよ。帰ったらまたギュッてするからね…」
頭をポンポンと撫で、行ってしまった。

はぁー行っちゃった……
仕事、仕事!


コンコン―――!
え?誰?
「はい」
「私、鏡子って言います。わかるかしら?」

あっ一徹のお客様。
「あ…あの今、一徹は―――」
「知ってるわ。貴女に用があるの。開けてくださる?」
「ごめんなさい。一徹に勝手に入れるなって言われてて…それにここは従業員以外立入禁止です。すみません、ホールにお戻り下さい」

「そう…でも貴女ってほんとに従業員?」
「え?」
「一徹の恋人なんでしょ?」
「え…?あの…」
「見かけたことがあるの。あんな一徹、初めて見たわ。あんな柔らかな表情…」
「……」
「でも貴女に、一徹は無理よ!」
「え…?」

「貴女って、アクセサリーみたいよね?」
え―――?
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