堕天使、恋に落ちる

｢何言ってんの？それが営業トークなの？｣
｢ううん。自慢じゃないけど、こんなこと言わなくても他の客は落ちてくるよ。俺に。
って自慢か…｣

完全に自慢じゃん！
変なの……！

｢フフ…｣
｢あ、笑った！｣
｢何？私、人形じゃないの。笑う時は笑うよ！｣
｢そうだね。でもさっきまで人形みたいだったよ？｣
｢そう？そうか…そうだよね……｣
｢どうして？｣
｢何が？｣
｢どうして今日、ここに来たの？｣

｢疲れちゃったの。全てに。
だからもう死んじゃおうかなって！でもその前にドロドロに甘く溶かされてから、死のうと思って。だから来たの。
一徹、私をドロドロに愛して？お金ならいくらでもあげるから。
あなたプロでしょ？だったらできるよね？｣

｢………だったら、ここ出ない？｣
｢いいよ！｣
｢じゃあ行こ！｣
｢うん｣

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
そうして連れてこられたのは、人気のない広場だった。
｢ここは？｣
｢俺の秘密の場所。一人になりたい時に来るとこ。由那ちゃんが初めてだよ。連れて来たの｣
｢え………？
どうして私を連れて来てくれたの？そんな大切なとこ｣

｢だから言ったでしょ？一目惚れしたって！｣
綺麗な目……
お願いそんな綺麗な目で私を見ないで。

私は目を見ていられなくて、うつむいた。
｢………やめてよ！そうゆうの反則…私、死ぬ予定なの。そうゆうの困る｣
｢愛してって言ったじゃん！だったら、真剣に口説くよ！｣
優しく私の頬を持って、顔を上げさせる一徹。
そこには真っ直ぐ私を見据える綺麗な瞳があった。