堕天使、恋に落ちる
「帰ろう?あとは家でゆっくりしようね…」
「え?でもまだ、仕事終わってないでしょ?」
「今日は二人とも早退!由那をゆっくり癒したい。こんなにぼろぼろにしたのは、俺の責任だから!」
私の頭を撫でながら、宥めるように言う。

その優しい大きな手が、心を和ませてくれた。
「わかった。じゃあ抱っこして?今日はたくさん甘えたい……」
そう言って一徹に両手を差し出すと、
「喜んで!」
と嬉しそうに抱えてくれた。

部屋を出ると、ちょうどそこに命さんがいた。
「一徹。この女?」
と鏡子さんを指す。
「あぁ。いつもの場所に頼む」
「了解ー!」

「え?どうするの?一徹?」
「ん?由那を傷つけた罰を与えるんだよ!」
「罰って…まさか!殺―――」
「大丈夫だよ?天使ちゃん。殺すなんて優しい事はしないよ、一徹は」
命さんはそう言ってるけど、一徹は微笑むだけだ。

とにかく何かあれば私が止めなきゃ!

そして抱えられたまま、帰宅した。
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