堕天使、恋に落ちる
帰りの車内。
「ほんとどうするの?一徹」
私は一徹の横にぴったりくっついて、一徹を見上げて言った。
一徹は私の頭を撫で、
「うーん。内緒!もう聞かないで?」
「でも……なんか怖い…」
一徹はやはり微笑むだけ。
逆にその表情が怖い………

「キス…したいな…?一徹」
「いいよ」
「ん……んぁ………はぁ」
「フフ…可愛いな…いつも」
「なにがあったか聞かないの?さっき」
「由那が辛そうだから、聞きたくない!」
「そう…一つだけ聞きたい」
「何?」
「私と鏡子さん…いや、私と今までの元カノって同じ?」
「ん?同じって何が?」
「愛情」
「違うよ、確実に!」
「ほんと?」
「由那が初めてだよ!
こんなに重い愛に俺自身が溺れてるのは。
初恋だって言ったよね?
あと鏡子は元カノじゃないよ。確かに関係はもってた。
でも俺の中では仕事の一環みたいなもんだし。
あ、だからといって客とみんな関係もってるとかじゃないからね?」
「わかった。信じる。あとね、一つお願いがあるの…」
「何?なんでも言って?」

「私の前だけでいいから……」
「うん」
「私以外の女の人の話しないで?名前呼んだりとか」
「わかった。約束する」
「いいの?」
「もちろん!そんな可愛いお願い、大歓迎」
「ありがと」
「その代わり、由那の名前はたくさん呼ぶよ!覚悟してろよ!」
「フフ…望むところよ(笑)!」
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