堕天使、恋に落ちる
「そうゆうことだったら、もう一徹はいらない!」
「由那ちゃん?」
「私はもう………」
「もう?」
「恋愛はこりごりなの!」
「大丈夫。俺が一生かけてドロドロに甘く溶かしてあげるよ!」

「もうあんな思いは嫌なの」
「あんな思いって?」
「とにかくもう一徹、用無し!さよなら!」

ダメ………
予感がする。
恋に落ちる予感。
早くここから離れなきゃ!
一徹から、離れなきゃ―――――――


パシッ――――
「え?」
帰ろうと踵を返す私の腕を掴む、一徹。
「送るよ!家まで」


手を繋いで、家路についた。
その間お互い何も話さず。

ただ、手を握っていた。



「あの。
ここだから、家………」
小さな声で言うと、
「そう。じゃあまた明日ね!」
と爽やかな柔らかい声が降ってくる。
「明日?」
「そうまた明日。まさか俺から逃げられると思ってる?言ったでしょ?一目惚れしたって!明日から覚悟してて!」
「私はもう……」
「もう一度だけ、チャンスちょうだい?」
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