堕天使、恋に落ちる
「お待たせ!おばさん!」
「え……いって、つ?」
一徹が、ゆっくりこちら側に来る。

「ばばぁ……俺の名前を呼ぶな!お前のせいで穢れるだろ?穢れたら、由那に触れないじゃん!」
少しずつ一徹が近づいてくる。
真っ黒い、闇が近づいてるような感覚。

「俺、言ったよな?地獄ってばばぁが思ってるのとは、違うって!」
「え……?」
「地獄ってさぁ!!
死にたくても死ねないことを言うんだよ……」
「ひっ!助け―――」
ゴン―――!!!

一瞬で、鏡子が吹っ飛ばされた。
「うぅぅ……頭がぁ…」
頭から血が流れている。
「ばばぁ、まだまだ終らないよ……」
「嫌!嫌!嫌ぁぁぁーーー!」

「うるせーよ。舌抜くか!」
「―――!
あががが……」
「それとも口唇縫う?」


いつ見ても悲惨だ。
容赦が全くない。
この時の一徹には、鏡子がどんな風に見えているのだろう。
まず人間…いや生き物と思ってねぇだろうな!
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